何故太るのか
1. 過食による肥満(当然です)
誤った食べ方での肥満
食べ過ぎなくても、1日2食とか、1度に多く食べ、食事間隔が長い食べ方は栄養が吸収されやすく、太る原因になります。また、1日2食など絶食時間が長い食べ方は、食事のとき、食物が持つエネルギーの一部が熱になって失われる、食事誘導性熱産生を低下させ過剰カロリーをもたらし、脂肪を余分にためさせる原因にもなります。
「夜食症候群」とも言われる、1日の摂取量の半分以上を夜にとる食べ方も、太りやすい食べ方です。夜は消化管の機能が活発になり、食べたものが栄養として胃腸から吸収されやすい状態になっています。したがって、それだけ余分なカロリーになりやすいのです。
また、夜は、摂食によって誘発されるインスリン分泌も増加するといわれています。インスリンには体内で脂肪合成を促進する作用もありますので、夜に取った余分なエネルギーは、昼間よりも体脂肪になりやすいのです。
1日2食制で失敗する食べ方は、朝食を抜き、昼食を少なめにして、夜に多くとるという食べ方です。すなわち、「夜食症候群」と同じ食べ方になっていることが多いのです。このような食べ方の誤りを正さないと、摂取カロリーが正常に保たれていても肥満になってしまいます。
2.運動不足による肥満(当然です)
消費エネルギーは、安静にしていても生命を維持するために必要な基礎代謝量、体を動かしたり運動する時に消費する活動エネルギー量、そして食べ物が吸収するときに使われる食事誘導性熱産生の三者で構成されています。普通は基礎代謝6割、活動エネルギー量3割、食事誘導性熱産生は1割くらいの割合です。
したがって、運動不足は活動エネルギー量を低下させてからだの中に余分なカロリーをためることにつながります。その上運動不足には、からだの中に脂肪をためやすい代謝状態にしてしまう作用があります。すなわち運動不足になると、基礎代謝も少なくなってしまうのです。
ここで基礎代謝量とは、体温や生命活動の維持のために使われるエネルギーのことで、その量が多ければ何もしなくてもより多くのエネルギーが消費されることになります。筋肉の量が多くなると、その消費量も多くなるのです。運動をし筋肉量を増やし、体脂肪の燃えやすい体をつくることも大切なのです。
3.炭水化物処理能力の低下による肥満
炭水化物は摂取されると分解、吸収されてブドー糖となって血液中に現れます。この血糖の上昇を感じ取って、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは、細胞膜にあるインスリンリセプターに結びつき、ブドー糖が細胞内に取り込まれるための架け橋になのます。ですからインスリンが少なくても、インスリンリセプターが少なくても、ブドー糖は利用されなくなり、血液中に余った状態が生じてしまうのです。この余ったブドー糖は、酵素の働きで、中性脂肪に変えられて皮下に貯えられることになり、肥満という現象が生じてくるのです。
肥満が始まると、脂肪細胞は肥大してきます。すると細胞膜のインスリンリセプターはその数が減少してきます。このことがさらに血糖が余るという現象に拍車をかける事になり、なお一層肥満することになります。
いっぽう、インスリン分泌能力は、生まれたとき100あるとしても、その状態がそのまま中高年まで続いてゆくのではなく、いわゆる老化のため減退してゆくのです。糖尿病の遺伝的素因をもっている人は80の能力で生まれてくると考えられるのです。一日の必要量は20〜40と考えられるので10代、20代の間はなんらの症状も示す事もありませんが、40代になりますと能力が40位まで減少してくるので、少し食べ過ぎると処理能力を上回ることになり、血糖が余りそれが脂肪に変えられるのです。
糖尿病の素因をもっている人は言うまでもなく、もっていない人でも、中高年になって自分の能力以上に食べ過ぎると、肥満が発生してくるので、炭水化物の摂取を制限する必要があります。日本人の20〜25%の人が糖尿病の遺伝体質をもっていると言われています。中高年以上の人に限るならば、3〜4人に1人の人がこの体質を持っているとみられます。
その上に米飯主食国民なのです。さらに車社会の発達で運動不足なのです。あまったブドー糖をインスリンなしに消費できるのは筋肉です。したがって、余分に食べたら運動で消費してしまえば良いのですが、それをやらないために、糖尿病を発症する人が増加し、発症しないまでもその前段階の人(境界型糖尿病、あるいは糖尿病予備軍)が増加しているのです。その最初の症状が肥満です。
4.ホルモンのアンバランスによる肥満
女性が更年期に入りますと、卵巣の働きが次第に鈍くなり、女性ホルモンの分泌量が減少します。すると脳下垂体がこの減少を感知して、卵巣にたいしてその働きを盛んにするために卵巣刺激ホルモンを分泌します。これが視床下部にある食欲中枢に作用して、摂食を盛んにするのです。
更年期女性の肥満症治療が不成功におわることが多いのはこの治療を併用しないからです。更年期障害と同じような理由で、思春期障害という状態もあります。この時期卵巣の発育が鈍いので、脳下垂体から刺激ホルモンが出て、いろいろな障害を発生してくるのですが、肥満もその一つの症状なのです。
治療には減量食と共に微量の女性 ホルモンが有効です。同様に、分娩後にも肥満する人が多く、子供一人生むたびに 2〜3kg肥満になる女性もいます。授乳が一層拍車をかけていることは間違いないことですが、分娩後ホルモンバランスが正常化するまでの期間の食欲中枢の異常昂進がその原因であると考えられます。
5.脂肪組織の代謝異常による肥満
健康な正常体重の人よりも少ない量の食事 しか摂取していないのに極端な肥満状態にある人があることが報告されています。中性脂肪を分解するリポプロテインリパーゼという酵素の活性が低下しているようです。
要するに、中性脂肪を造る方の酵素は沢山あって、分解する方の酵素が少ないためにどんどん肥満してしまうのです。この外にも精神的な要因も存在するのではないかと考えられます。ストレス、精神的に不満があったり、不愉快な出来事にあうと、腹一杯ご飯を食べてしまう人がいます。欲求不満が引き金になっていると考えられます。
肥満の原因は、単に食べ過ぎと運動不足という簡単なものではありません。いろいろな 原因が複雑に重なり合って発生しています。一人一人その原因について分析し対策を立てねばなりません。
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